ねむの木学園の教育方針・運営方針
(1)集中感覚教育
ねむの木学園では、絵画・音楽・ダンス・詩・作文・茶道・工芸など感性を育てることを重視した教育を行っている。
これは、情感豊かな人間性を育成し、それによって集中力の向上をはかることを目的とした教育法で、生活能力・学習能力の向上にもつながると考えられる。
(2)生活指導と学校教育の一体化
こどもの養育に際しては、精神状態・健康状態などすべてを把握したうえで、生活と学校とが一貫した処遇を提供する
事が必要であり、またそれによって、より大きな成果 が得られる。そのような理念に基づき、ねむの木学園では、施設・学校両者の教職員が一体となって、こどもたちの生活指導・学校教育その他すべてにあたっている。
(3)無学年制の教育
こどもの多種多様な持てる能力を引き出すためには、それぞれのこどもに応じた自由で柔軟な教育を行うことが必要で
ある。そこで、ねむの木学園では各教科ごとにこどもの能力・適性・興味などに応じたグループをつくり、それぞれに担当者がついて学習を進める、といった授業体系をとっている。
(4)環境の整備におけるこまやかな配慮
ねむの木学園では、こどもの感性を育てながらその隠れた才能を引き出すことを考え、建物、家具、日用品などをはじ
め、普段の生活環境作りにおいて、こまやかな配慮を施している。
(5)家族としてのねむの木学園
ねむの木学園におけるこどもたちと学園長並びに教職員の関係は、「お母さん」たる学園長とこどもたち、そしてその
間をつなぐ「お兄さん、お姉さん」たる教職員というひとつの家族として、とらえることができる。
(6)積極的な対外活動
ねむの木学園では、集中感覚教育の成果を披露する場として国内外において美術展やコンサートを開催している。
これは、ある種の社会運動・啓蒙運動であり、わが国の文化の発展や海外との文化交流にも寄与するものと考えている。
(7)ねむの木村の建設
ねむの木学園は、健康な人も障害をもつ人も、老人も若者も、都会の人も地方の人も、あらゆる人々が互いに助け合い
ながら文化的な生活をおくることのできるコミュニティ「ねむの木村」の建設を、掛川市上垂木の桜木池付近(約80ヘクタール)にて現在行っている。
肢体不自由児療護施設ねむの木学園、特別支援学校ねむの木、身体障害者療護施設ねむの木のどかな家、職業実習室喫茶 MARIKO)、子どものお店、インフォメ ーションセンター、吉行淳之介文学館、ねむの木こども美術館、ねむの木MARIKOガーデンなどが完成している。